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『パンダ棚』の発刊から終刊まで
『パンダ棚』は2020年の5月に創刊され、一時休刊を経て2024年の1月まで発行されました。実質3年3ヶ月の期間にわたり、徐々に情報の質が向上し、提供するテーマのレベルも上がりました。特に2021年9月からは、中国のパンダ関連業界で注目されるテーマをタイムリーに提供することができたと自負しています。
読者は多くはなかったものの、サブスクリプションの継続率や単発購入のリピート率は高かったです。途中から有料で購読された方々にはご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
Substackでの『パンダ棚』はしばらく残す予定ですし、Substack Noteでの野生パンダに関する投稿も続けますので、引き続きご利用いただければと思います。
飼育パンダから野生パンダへの関心のシフト
私がパンダに興味を持ったのは、上野動物園のライブカメラを見た2017年末で、実際に動物園を訪れたものの、パンダを見た実感はありませんでした。その後、中国のウェブサイトで動画を見たり、ニュースを追うようになりました。
当初は飼育されているパンダの情報が多かったのですが、野生のパンダに関する情報も取り上げるようになりました。中国では、繁殖施設の飼育員だけでなく、野生復帰や生息地の監視に携わる人々もいて、地元住民の話も新鮮でした。日本ではジョージ・シャラー氏がよく知られていますが、中国の研究者たちの話も興味深いものでした。
パンダに関する関心は、野生のパンダとその保護に移っていきましたが、ファンに向けて書く限り、飼育パンダの話題も取り上げる必要があるというジレンマがありました。特に2023年には、シャンシャンを含む外国在住のパンダに関する誤情報が多く、それらの真偽を確かめるのが困難でした。
日本ではパンダの飼育や移動に関する情報が注目されますが、中国でも同じで、野生パンダの保護に尽力する人々が適切に評価されていないと指摘されています。北京大学の呂植教授は、野生のパンダ群を守ることの重要性を強調しています。
「子供たちさえパンダがどこにいるか尋ねれば動物園と答えますが、動物園にいるパンダは実際には生態系の保全には貢献していません」
「私は、既存の野生のパンダ群を守ることが最も重要だと考えています。(中略)パンダの自然な生息地を守ることが、野生でのパンダの生存を守ることにつながります」
野生パンダを優先する視点からは、飼育パンダの動きに一喜一憂することはそれほど重要ではありません。注目すべきは、ジャイアントパンダ国家公園の拡充や、自然保護区の森林回復、生息地をつなぐコリドーの建設、地元住民の生活、野生復帰の状況などです。赤外線カメラで撮影された野生パンダの映像は、これらの努力の成果としてあります。
中国のパンダ保護と日本の現状
日本においては、ジャイアントパンダの保全と研究に関する情報が不足しています。かつて外国人の密猟や持ち去りが許され、その後多数が捕獲され展示された時代から、現在では自国で野生パンダを管理する技術と経験が積み上げられてきました。これらは外国に渡ったパンダの話題よりも共有すべき価値があります。
将来的には、ジャイアントパンダを保全の観点から議論するための基礎を築き、野生のパンダとその生息地を守る人々を支援し、野生パンダの状況を把握できる仕組みを構築したいと思っています。
これを実現するためには、日本の野生動物研究者の支援が不可欠です。まず、その方々に中国の野生動物に関する情報を提供することから始めたいと考えています。
X(旧Twitter)の「パンダ日録」アカウントをフォローしている方々、特に『パンダ棚』を読んでいる方々は、中国のパンダにも興味を持っており、『パンダ棚』の価値観に賛同していただいていると考えています。これらの方々の期待に応えられないことを残念に思います。
「中国におけるジャイアントパンダの野生復帰の経緯と現状」というタイトルの記事が、ある学会の広報誌に掲載される予定です。これは、シャンシャンが中国へ向かう前に流れた誤情報を受けて以前の記事を更新したものです。公開されたらぜひご覧ください。
『パンダ棚』の有料コンテンツと今後の展望
特に2021年9月以降のコンテンツは当面有効だと思いますので、Substackで配信した『パンダ棚』は当面有料ライブラリとして残します。
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2023年7月から2024年1月までの記事はnoteで個別購入も可能ですが、関連するバックナンバーへのアクセスが簡単なため、Substackを推奨します。
X(旧Twitter)の「パンダ日録」では、今後中国の野生動物全般に関する情報を紹介します(ジャイアントパンダが登場することもあります)。noteについては、投稿を整理するか一部削除する可能性があります。
長い間のご購読に感謝します。今後もご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。
追記:パンダ情報のデマに惑わされないためには、微博(Weibo)や微信(WeChat)で中国パンダ保護研究センター(中国大熊猫保护研究中心)や成都パンダ基地(成都大熊猫繁育研究基地)の公式アカウントからの情報を最初にチェックすることが大切です。
その後、信頼性のあるニュースサイトを調べることをお勧めします。中国新聞社、新華社、中国中央テレビが良い情報源で、これらのサイトやアプリで「大熊猫」を検索して情報を得ることができます。
Substack Noteでの野生パンダに関する投稿も続けますので、引き続きご利用いただければと思います。
とご記載されていましたが、これは、パンダ棚とはべつな物になりますか?購読するにはどうしたら良いですか?